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【月刊マークブログ:2023年11月号】至高の映画とクラシックコンサート

11月は映画とクラシックのコンサートに行ってきたのでその感想でもつらつらと書いておこうかと思う。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンを堪能

見た映画は「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」。

監督はマーティン・スコセッシ。主演はレオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロ。

元々僕は10代後半から20代は映画(洋画)漬けで過ごしてきた人間だ。映画好きがこうじて、今の家にはプロジェクターと100インチのスクリーンがあるのがちょっとした自慢。

なんせこのブログの僕の名前「マーク」は90年代の映画「トレイン・スポッティング」の主人公マーク・レントンからとっているし、ドメイン名の「lust for life」もそのトレイン・スポッティングの冒頭でかかるイギー・ポップの同名タイトル曲から取っている(そのあたりの映画を見ている人なら必ず知っている印象的なオープニング)くらい1990年代後半〜2000年代は映画ばかり見ていた。

スコセッシの映画は僕にとって非常に好きな作品が多く、特にグッドフェローズは僕のオールタイムベスト10に入る映画だ。

一方で近年の監督作「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」もめちゃくちゃ好きな作品である。

グッドフェローズ:主演ロバート・デ・ニーロ

ウルフ・オブ・ウォール・ストリート:主演レオナルド・ディカプリオ

なのだが、最新作「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」でこの2人がスコセッシ監督作で共演となると僕からすると熱狂せざるを得ない。

内容もいかにもスコセッシらしい、「裏のアメリカ史・人の業・栄枯盛衰」というテーマだった。

特にディカプリオの何考えてるかわからないダメ男ぷり。妻を愛しているはずなのに犯罪に手を染めていく恐ろしさ。主体性のなさが凶悪犯罪になっていくことが心底恐ろしかった。デ・ニーロ演じる叔父貴は一見優しい人だが、裏では犯罪のリーダー格であり、とんでもなく恐ろしいことを考えている・・・といういかにもデ・ニーロなハマり役。

数多くの作品を見てきただけに、「また同じような役」感はもちろんあるのだが、やっぱりその佇まいはさすが。すごい俳優だと改めて思った。

3時間半ある長尺映画ではあるが、派手なドンパチもないし、めちゃくちゃオーバーな演技合戦があるわけでもない。劇中はドラマ中心で、基本的には比較的静かなトーンで進行する(もちろん描かれる犯罪自体は悲惨そのもの)のだが、それでもこの長尺を感じさせない手腕はさすがスコセッシだと感じた。大満足。

スコセッシももう80代。これからいくつ作品を撮ってくれるかはわからないが、また次回作を期待したい。

ちなみにもうおじいちゃん巨匠監督としてはスコセッシよりも歳上のクリント・イーストウッド(93歳!)もいるし、リドリ・スコット(85歳!)もいる。スコセッシももうひと頑張りしてほしい。

リドリーの新作「ナポレオン」の予告編見たら、バリバリのリドリー・スコット映画になっていそう。これも期待。

クラシックのコンサート

僕は大学時代にオーケストラに入っていたのだが、その時の後輩から「仕事でコンサートに行けなくなったので、よかったら」ということで、シンフォニー・ホールに行って久しぶりにプロのオーケストラ演奏を聞いてきた。横山秀雄というピアニスト。

ほぼ満席。

今年はラフマニノフの生誕150年とかで、曲目はなんとピアノコンチェルト三曲。

チャイコフスキーとラフマニノフのピアノ協奏曲2番+3番というくみ合わせ。

演奏会自体は非常に楽しんだし、ラフマニノフの2番はやっぱり名曲で満足。でも、正直なところ、この3曲を1日に一気に聴くのは少々しんどかった。

ハンバーグ定食に唐揚げとエビフライをトッピングするような気分 笑

もう少し緩急つけてもらった方が聴く側としては楽だ。

昔からクラシックのコンサートはシニア層が中心なのだが、今回も年齢層は高めだった。

大学時代にクラシックにはどっぷり浸かったことで、ある程度クラシックの曲を知り、知識が着いたのだが、それはそれで弊害があって、どんなコンサートに行っても「いつもの」ラインナップになってしまう。これはジャンル的に仕方のないことだとは思う。でも、「新曲」がない世界(厳密には現代音楽のカテゴリとかを入れると違うんでしょうけど)なので、僕としてはどうしても新鮮味がなく、飽きてしまう世界でもあると思っている。

もちろんある程度知識が深まるとプレイヤーの方々のスキルや指揮者の曲に対する解釈、みたいな部分を楽しむんでしょうけど、僕からすると、別にクラシックのジャンル以外で新しい曲はたくさん作られてるので、どうしてもそっちに目が行くかなぁ。

今の若い子は短時間でいかにコンテンツを消費するかのタイパを意識するって言うし。クラシックはその真逆を言ってるから、何か派手なタレント性を持った人がリードしないとしんどいジャンルになってるな〜なんて余計なことを考えてしまった。

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